超音波は、第一次世界大戦の際に海に潜む潜水艦を探索するためにフランスが初めて使用した歴史があります。一部の科学技術は、戦場と共に発展しやがて様々な場面で活用されることになりますが、この超音波もその一つです。この超音波が医療現場に活用されるようになったのは、1940年代からとなっており、現代に至るまで発展を続けています。超音波検査とは、対象物に対し超音波を当てることでその反響を映像化する検査方法の事です。
エックス線画像検査とは異なり、被ばくする恐れがないため放射能の管理を行う必要がありません。装置さえ用意できれば患者の病室でも簡単に検査を行うことが可能となっており、日を変更して何度も検査を行っても体に悪影響が及ぶ心配が無い点が特徴です。主に医療現場を中心に広く活用されています。リアルタイムで画像診断が実施できるため、侵略的な検査による心身的な負担も無いため、妊婦や子供に対する診断にとても適しています。
医療現場における超音波検査は、様々な場面で活躍します。例えば腹部超音波検査では、みぞおちから脇腹のあたりに超音波を当てることで、肝臓・胆のう・膵臓・脾臓・腎臓といった5つの臓器を中心に異常を示す兆候がないか調べることが可能です。肝臓の細胞の中に脂肪がたまってしまう脂肪肝・コレステロールが胆のうに付着してしまった状態である胆のうポリープなど、臓器に関する様々な情報を提供し、経過観察もしくは精密検査の判断を行うことができます。