仕事におけるストレスの増大は、重大な心因性の疾患に繋がる可能性があります。うつ病などが代表的ですが、それが原因で休職や退職を余儀なくされたり、自傷行為などに発展し本人だけでなく家族など周囲の人にも大きな影響を与えることも考えられます。ストレスチェックを実施することが義務付けられた背景には、増加する一方の仕事による精神疾患の罹患者数と、企業側が従業員に対して過大な仕事量を与えるなどの超過勤務の日常化がリンクしているものと考えられていることもあります。まずは従業員側は自分の働く環境が、高ストレス状態になっているかどうかをストレスチェックによって確認することが重要です。
超過勤務だけでなく人間関係や通勤時間など働きやすさに関する項目を正確に自己分析をして、どの程度まで心身が疲労しているかを見極めておきましょう。危険な状態であると判断したのでしたら、業務内容を精選して超過勤務を減らしたり、心療内科への相談を行ったり、ストレス解消ができる趣味を楽しんだりと、気分を大きく変えていく行動を自主的に取り組みましょう。また企業側にとっては、従業員のメンタルケアはきわめて重要な問題ですので、高負荷の状況にある従業員にはストレスを緩和させるための方策をきちんと考え、より適切なケアを行い精神疾患への進展を予防していくことが求められます。ストレスチェックは労使ともにきわめて有効な方法ですので、学習会を開催したり職場内研修を行ったりと、全従業員が意識の共有を行っていくことも大切です。